2021/11/17
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立命館大学ユネスコ・チェア「文化遺産と危機管理」国際研修2021を開催しました
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国際研修
立命館大学ユネスコ・チェア「文化遺産と危機管理」国際研修
2021年8月23日~10月7日開催(京都、オンライン)
主催:立命館大学 歴史都市防災研究所
共催:ICCROM(文化財保存修復研究国際センター)
協力:UNESCO(国際連合教育科学文化機関)・ICOM(国際博物館会議防災危機管理委員会)・ICOMOS/ICORP(国際記念物遺跡会議防災国際学術委員会)
国際研修 2021, 第15回
2021年8月23日(月)から10月7日(木)の間、各週2回・7週間にわたり、立命館大学ユネスコ・チェア「文化遺産と危機管理」国際研修(UNESCO Chair Programme on Cultural Heritage and Risk Management, International Training Course (ITC) on Disaster Risk Management of Cultural Heritage 2021, 15th year, Ritsumeikan University)オンラインを実施いたしました。 第15回目の本年度は、世界各国より124名からの応募者があり、日本を含む、アメリカ、イタリア、エジプト、北マケドニア、クロアチア、ケニヤ、コロンビア、コソボ、スイス、ポルトガル、フィリピン、ラトビアの受講生13名、オブザーバー2名を選出しました。
研修では、学内の教員はじめ、宮城大学、京都橘大学の教員、国内の文化庁、京都市消防局、京都国立博物館等学術・行政機関からの専門家、国外からはICCROMの専門家、ラフバラー大学の教員等20名以上の講師による講義が行われ、日本の文化遺産と危機管理に関する取り組みに加え、世界各国特有の文化遺産保全と防災の現状と今後の課題についても理解を深めました。
今年度は、“文化遺産と危機管理:日本の経験から学ぶ”と題し、制度的な仕組みから実践的な取組、まちづくり協議会などによるコミュニティ主導の防災の取組、震災直後の対応から復興まちづくり等日本の経験と教訓について学びました。また、国外の専門家による講義により日本の教訓について国際的な視点で議論ができ、総合的な防災手法やアプローチを考察しました。
コロナ禍対応で、フィールドワークもオンラインで行う必要があり、今年度は京都市内にある文化財管理者や地域関係者の協力のもと、それぞれテーマに沿ったビデオを作成しました。具体的には、先斗町における伝統的京都の町並み(木造密集家屋)におけるコミュニティ防災、清水寺では、傾斜地における木造文化財の水害・土砂災害・火災対策、東本願寺では、巨大木造建築物の防火対策(ドレンチャー等最先端の防災技術)について学びました。また、それぞれの関係者により歴史的な価値とそれを保護する仕組みとしての所有者・行政・地域住民との連携による防災への取り組みについても解説が行われました。
週2回、毎回2時間のライブセッションでは、週ごとにテーマを設け、各週の初日は講義・ディスカッション、二日目は関連ワークショップ形式としました。一方的な講義ではなく、双方的な対話により豊かな研修になるよう、ライブセッションの前には、事前に準備していた各講義のオンデマンド・ビデオやフィールドワークのビデオを受講生に視聴してもらい、ライブセッションの間にメンタリング・セッションを設けたり、課題を出したり等、受講生がライブセッションの前後の自由な時間に予習・復習できるような仕組みにしました。これらの仕組みにより、研修期間中に受講生がそれぞれの国のケース・スタディ・プロジェクトを十分に進めることが可能となり、質の高い最終成果につながりました。受講生の成果物は年度末のプロシーディングで公表する予定です。
立命館大学ユネスコ・チェア「文化遺産と危機管理」国際研修は、世界各国からの研修者の積極的な参加により高い評価を得ています。本研修では、今後も当研究所の研究成果に基づき、国際社会に向けた成果発信や社会貢献活動を継続してまいります。
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