プロジェクト
救急医療情報キット
立命館大学歴史都市防災研究所は2007年6月に左京区・上高野自治会、同年8月に北区・衣笠学区社会福祉協議会と防災調査研究に関する協定を締結しました。その協定による取組の先駆けとして、地域との共同による「救急医療情報キット」の配付を行いました。このサイトでは、救急医療情報キットの説明、配布に当たっての注意点、およびキットの配布時に使用したデータを公開しています。
1. 救急医療情報キットとは
救急医療情報キットは、あらかじめ本人が救急医療時に必要な情報をキットに入れておくことで、緊急時(大規模災害による負傷や急な発病等)に、本人が救急隊へ既往症等の説明をすることが出来ない場合でも、迅速かつ適切な対応を受けることが期待できます。
2. 配付の意義
救急医療情報キットの2つの役割
- 1. 文化遺産保全の前提として住民の命を守る
- 歴史都市の保全には、まず地域住民の安全の確保が不可欠です。地域住民の安全が守られてこそ、文化遺産保全を進めていくことができます。このキットは、平常時だけでなく、災害時にも適正かつ迅速な処置の助けとなります。救急隊が出動するような緊急時では、医療の施し方一つ、情報の錯綜による一分一秒の遅れが、その人の命に大きな影響を与えます。特に近年では、独居高齢者の方が増加傾向にあり、独居高齢者の方が緊急時に話すことができなくなっても、その代わりにキットに書いてある情報が本人に代わって、適切な情報を提供してくれます。
- 2. 住民主体の地域防災へのきっかけ作り
- 地域の防災力の向上を図る上で、住民個人の意識はもちろんのこと、地域全体として防災力の向上に取り組むことが必要不可欠です。救急医療情報キットは、基本的には、住民や自治会等の組織が主体的に行なうことが想定されています。この救急医療情報キットの配布を通して、自治会等の地域コミュニティ組織と住民のネットワーク作りのための機会を作ることも期待できます。
3. 救急医療情報キットの中身
救急医療情報キットに入れるものとして、救急時に必要な以下の情報が書かれた用紙などを丸めて筒に保管して下さい。
- 記入済みの「救急医療情報シート」
- 健康保険証のコピー
- 診察券のコピー
- 薬剤情報提供書のコピー(薬の種類や使用頻度などを書いた、薬剤師から提供される用紙)
- その他、緊急時に必要と思われるもの(常備薬など)
4. 救急医療情報キットの使用方法
- 救急医療情報シートの記入
- 救急医療情報キットの中に入れるものの準備
- 救急医療情報キットの中に必要なものを入れる *1
- 冷蔵庫の扉側(飲料水などを保管しておくところ)に保管 *2
- 冷蔵庫に救急情報医療キット磁石を貼る *3
*1【注意】救急情報医療キットの表示シート(カバー)は、名前および緊急時の電話を想定した会話を記入して、記入面が一番外側になるように入れます。
*2 冷蔵庫は震災時にも潰れにくいことから、震災時にも患者の情報が救急隊へ迅速に伝わります。
*3 冷蔵庫の表面に貼ることで、救急隊が「救急医療情報キット」があることを確認できます。
5. 配布にあたっての注意
- 救急医療情報キット用意していても、救急隊にその存在が伝わっていなければ救急隊員が医療情報を確認することができません。救急医療情報キット配布の際には、地元消防局(消防署)への事前相談と協力の要請が不可欠です。
- 救急医療情報キットに保管する情報は、なるべく最新のものとなるように、定期的に更新してください。
6. その他の配布物(救急電話マニュアル)
緊急時には、自宅の場所や電話番号など普段は簡単なことだと思われるようなことでも混乱してしまい、正確な情報を伝えることが困難になります。救急電話マニュアルは、緊急時にも迅速かつ正確に電話で情報を伝えることができるように、住所と自宅近くの目印となるものや自宅電話番号等を記入し、電話の近くに貼り付けてください。
7. 各種データのダウンロード
救急医療情報キットに関して、以下の資料がPDF形式にて、ご利用いただけます。
インフォメーション
- 本件についての問い合わせ先
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立命館大学歴史都市防災研究所
電話:075-467-8801 FAX:075-456-8825(代表)
担当:豊田祐輔 (政策科学部 准教授)