広報 (新聞掲載記事・研究会案内)

北海道奥尻高等学校2年生15名の皆さんに奥尻島の災害文化を考えるフィールドワークを実施しました

2025年9月22日(月)、北海道奥尻高等学校との連携のもと、同校2年生15名を対象に、防災まち歩きの特別授業(高大連携講座)を実施しました。本授業は奥尻高等学校と当研究所との高大連携の取り組みとして、2023年度から続けられている取り組みです。当日は、「地理総合」における地形図や地域調査の学習内容を踏まえつつ、1993年に北海道南西沖地震で被災した北海道奥尻町青苗地区を実際に歩き、被災による景観や街路の変化、復興・防災施設、ハザードマップ、遺跡群などを実際にみながら、青苗地区で受け継がれている災害文化について考えました。

秋晴れに恵まれた当日、生徒の皆さんは、講師となった地理学、人類学、防災研究を専門とする当研究所の研究メンバー(当研究所研究メンバー:寺床幸雄准教授[本学文学部地域研究学域]、客員研究員:手塚薫教授[北海学園大学]、大学院生:田代優都さん[本学大学院文学研究科地理学専修])と一緒になって、地理院地図で現在の位置を確認しながら、1993年北海道南西沖地震の被災による青苗地区の復興や景観の変化をみたほか、青苗遺跡、避難路、青苗港の人工地盤のほか、三角点や電子基準点、地形などを確認して歩きました。

受講生の皆さんから、以下のようなコメントが寄せられました。

  • 「その地域によって適した災害時の逃げ方があり、自分の中でしっかりと逃げれるルートを知っておく必要性があるとわかった。」
  • 「一年半住み続けたところにも『こんなところに遺跡があったんだ』と、知らなかったものを発見する楽しさを知りました。」
  • 「前回の災害の経験を活かして、高台場所の変更や高台へのアクセスのしやすさ、住宅密集地の変更など、様々な改善がされていて驚いた。また、青苗遺跡や砂丘遺跡が北海道に住んでいた人々の重要な手がかりになっていると知り、とても興味がわいた。」

北海道奥尻高等学校2年生の皆さん、今回の学びをきっかけに、さらに奥尻島について深めていってください!

青苗地区にある奥尻高等学校「まなびじま松風寮」からスタートしました
三角点を確認しました
青苗岬灯台から奥尻島津波館のある青苗岬方面の景観を観察しました
電子基準点を確認しました
青苗遺跡の発掘現場を確認し発掘のお話しも聞きました