広報 (新聞掲載記事・研究会案内)

洛星高等学校1~2年生有志の皆さんに地理的見方・考え方で人文学的な防災研究の最先端を学ぶ授業を実施しました

2024年2月17日(土)、学校法人ヴィアトール学園洛星高等学校との連携のもと、当研究所の研究メンバーで地理学の立場から防災・環境研究を行う村中亮夫教授(文学部地域研究学域)が、洛星高等学校1~2年生6名を対象に高大連携講座を実施しました。

本講座は、東日本大震災をきっかけに始まった洛星高等学校の生徒有志による被災地訪問活動の事前学習として、当研究所が高大連携の一環で防災についての学びの場を提供する学習プログラムです。

講座の当日、高校生の皆さんはGoogleマップやGoogleストリートビュー、WebGISの一種である地理院地図を活用し、地理的見方・考え方に基づいて、災害地名や被災の記録など、三陸沿岸で継承されてきた災害文化について考えました。

受講生の皆さんから、「地名について、どの地名も流れ着いた物がそのまま地名になっていて面白かった。そして、その地名は地図や現地でのフィールドワークによってより理解が深められることが分かった。大学での学習・研究のためにも、今の高校の学習を大切にしていきたい」、「今回の講座は災害文化ということで、僕も今年の現地に行って学ぶひとつのキーワードとして『歴史から学ぶ』というのを念頭に置いていたためとても参考になるお話でした。特に印象に残ったのは仮宿での災害文化についてのお話で、落書きかのように思えた赤線が津波の指標となっているということにはとても驚かされました」、「災害地名の成り立ちが地元の方言も入っていることを知り、凄く驚いた。地名を調べるときには、その地域の文化や方言なども調べる必要があると思った」、「Google Mapsを使用して実際に『追体験』してみることで、新たな発見、気づきが得られました。今年の夏にも三陸に行く予定なので、今日得た学びを大切にしていこうと思います。本日はお忙しい中、ありがとうございました」など、高い問題意識をもって講座に参加してくれた様子が伝わってきました。

洛星高等学校生徒有志の皆さん、今回の高大連携講座で学んだ内容も踏まえて、今年の夏の現地訪問を有意義なものにしてください!

三陸地方の災害文化について学習しました
津波地名に関する明治時代の古文書『岩手沿岸古地名考 全』を教材にしました
高校の地理総合で学習した地理院地図を使いました
地理院地図やGoogleマップ、Googleストリートビューも活用しました