第3回国連防災世界会議パブリックフォーラム歴史都市防災シンポジウム仙台を開催しました。
<開催日>
2015年3月16日(月)13:10~15:45
<開催会場>
AER6階 情報産業プラザ セミナーホール(2)
<参加者>
60名
<講演者>
セッション1:文化遺産と震災
中谷 友樹(歴史都市防災研究所 副所長/文学部 教授)
大窪 健之(歴史都市防災研究所 所長/理工学部 教授)
セッション2:文化遺産と復興
平岡 善浩氏(宮城大学事業構想学部 教授)
板谷 直子(歴史都市防災研究所 准教授)
ロヒト・ジグヤス(歴史都市防災研究所 教授)
セッション3:地元被災経験者との意見交換
佐藤 孝雄氏(岩手県山田町役場 職員)
佐藤 久一郎氏(上山八幡宮 責任役員)
工藤 真弓氏(上山八幡宮 神職)
鈴木 卓也氏(南三陸ネイチャーセンター友の会 会長)
総括および閉会挨拶
土岐 憲三(歴史都市防災研究所 教授)
2015年3月、国際的な防災戦略について議論する国連主催の会議として、第3回国連防災世界会議が仙台で開催され、7000名近い参加者が集まり、日本における最大級の国際会議となった。
そのパラレルイベントとして実施されたパブリックフォーラム事業の一環として、歴史都市研究所では、「歴史都市防災シンポジウム仙台~東日本大震災に学ぶ歴史都市防災まちづくりに向けて~」を主催した。
当研究所では、これまで所属メンバーによる現地調査や、主催事業である「文化遺産と危機管理」国際研修での学外視察として毎年訪れるなど、地元の被災者・行政担当者・専門家に多大な協力を得ながら、東北の被災地域での研究活動を継続して行ってきた。
仙台でのシンポジウム開催にあたっては、これまで地域との連携を図りながら行ってきた研究活動の成果発信に加えて、東北地方の復興を願って、市民向けの情報交換の場とすることを目的とした。
セッション1では、文化遺産被災地図や地域の文化遺産の防災拠点活用といったこれまで研究所で行ってきた研究に基づく文化遺産と震災についての話題提供がされた。
セッション2では、復興過程で有形・無形文化遺産が果たしうる役割について焦点を当てた発表がされた。とりわけ地元の大学として南三陸町の復興に関する研究を進めてきた宮城大学・平岡教授の発表からは、行政主導の復興事業と並行して、住民が歴史・文化の継承、環境保全、教育、福祉に関する草の根活動に奮闘する南三陸の現状がうかがい知れた。
セッション3として、これまでの研究活動に多大な尽力をいただいた4名の被災経験者の方たちから、復興過程における心のケアと社寺等の宗教施設の関係性、自然条件を活かしたまちづくりの重要性など、地域住民ならではの体験談や防災まちづくりのあり方についての具体的な提言がされた。
当日は国内外からおよそ60名の参加があった。
各国首脳、政府関係者による本会議や政府間会合とはまた異なる、そこに住まう市民による議論は、防災において災害から文化・コミュニティをも守るという考えに多くの理解・共感を得る機会となった。