2022/12/06
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立命館大学ユネスコ・チェア「文化遺産と危機管理」国際研修2022を開催しました
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国際研修
立命館大学ユネスコ・チェア「文化遺産と危機管理」国際研修
2022年8月18日~10月13日開催(京都、オンライン)
主催:立命館大学 歴史都市防災研究所
共催:ICCROM(文化財保存修復研究国際センター)
協力:UNESCO(国際連合教育科学文化機関)・ICOM(国際博物館会議防災危機管理委員会)・ICOMOS/ICORP(国際記念物遺跡会議防災国際学術委員会)
国際研修 2022, 第16回
2022年8月18日(木)から10月13日(木)の間、各週2回・8週間にわたり、立命館大学ユネスコ・チェア「文化遺産と危機管理」国際研修(UNESCO Chair Programme on Cultural Heritage and Risk Management, International Training Course (ITC) on Disaster Risk Management of Cultural Heritage 2022, 16th year, Ritsumeikan University)オンラインを実施いたしました。 第16回目の本年度は、世界各国より63名からの応募者があり、アメリカ、イギリス、イタリア、イラン、インド、エジプト、エチオピア、オーストラリア、カナダ、キューバ、グアテマラ、クロアチア、台湾、チリ、トルコ、ニュージーランド、ネパール、プエルトリコ、ポルトガル、モーリシャス、ルーマニアから研修生15名、アソシエイトオブザーバー6名を選出しました。
今年度の研修生は文化遺産管理者、災害リスクマネジメントの専門家、文化遺産保護や災害管理に携わる政府関係者など、多様な背景をもった方々でした。研修では、立命館大学の教員やICCROMメンバーからの講義がありました。また、文化庁、京都市消防局、京都国立博物館、文化財防災センター、ICHCAP、UNDRR、ラフバラー大学、エッジヒル大学、ポツダム大学、エクセター大学、ローマ・サピエンツァ大学、宮城大学、カトマンズバレー保存信託、国境なき文化遺産、自然災害研究所、INAH、ラトビア国立図書館、INTACH カシミア支部、クロアチア保全協会等の専門家による講義や、ワークショップを通して研修生は様々な視点を理解し、災害リスク管理のための伝統的知識について理解を深めました。
このコースでは、文化遺産の災害リスクマネジメントの様々な側面について理解を深めることができました。今回は、日本における革新的な取り組みの事例を紹介するとともに、海外の文化遺産保護・災害リスクマネジメントの現場から得られた問題点や教訓を紹介しました。
今年度は「文化遺産の災害リスク管理のための伝統的知識」と題し、政府レベル、町内会などのコミュニティベースの減災活動、災害対応から復旧・復興計画まで、幅広い事例が紹介されました。また、災害リスク管理のための伝統的知識に焦点を当て、日本の福知山市・古座川町、ネパールのパタン、インドのアッサムなど、各国の事例が紹介されました。この研修では、様々な視点を理解し、災害リスク管理のための伝統的知識について包括的に理解するために、国際的な専門家達によるパネルディスカッションを別途実施しました。コロナ禍対応の為、フィールドワークもオンラインで行う必要があり、今年度は新たに2本のビデオを作成しました。具体的には水害を防ぐための伝統的な居住文化を紹介するビデオを古座川町と福知山の日本の伝統的民家を舞台に撮影しました。
週2回、毎回2.5時間のライブセッションでは、週ごとにテーマを設け、各週の初日は講義・ディスカッション、二日目は関連ワークショップ形式としました。一方的な講義ではなく、双方的な対話により豊かな研修になるよう、事前に準備していた各講義のオンデマンド・ビデオやフィールドワークのビデオを受講生に視聴してもらい、ライブセッションの間にメンタリング・セッションを設けたり、課題を出したり等、受講生がライブセッションの前後の自由な時間に予習・復習できるような仕組みにしました。これらの仕組みにより、研修期間中に受講生がそれぞれの国のケース・スタディ・プロジェクトを十分に進めることが可能となり、質の高い最終成果につながりました。受講生の成果物は年度末のプロシーディングで公表する予定です。
立命館大学ユネスコ・チェア「文化遺産と危機管理」国際研修は、世界各国からの研修者の積極的な参加により高い評価を得ています。本研修では、今後も当研究所の研究成果に基づき、国際社会に向けた成果発信や社会貢献活動を継続してまいります。
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