研究ハイライト

文化遺産における人災・獣害研究部会の主要な課題

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美術工芸品の窃盗、歴史建造物への放火などの人災やアライグマなどの獣害から文化遺産を防御するための「リアルタイム高性能監視・防御システム」を開発する。

1) 人災・獣害の発生や対策事例に関する情報収集と整理
社寺仏閣を対象に窃盗・放火および獣害(特に、アライグマ)に関する情報収集について、文化財所有者への聞き取り調査を行う。さらに、対策事例などの情報を所有している関係機関との協力関係をセミナーの開催や情報交換検討会(仮称)を設置し、実態と今後の対応策に関する協議の“場”を構築する。

2) 被害の時空間分布による特徴分析
人災・獣害による被害情報をGIS上に整理し、犯罪やアライグマ出没の特徴を分析し、有効な対策策定へと発展させる。

3) 自動画像認識システムの開発
人物やアライグマの自動認識技術の開発を行うとともに、不審行動(犯罪実行)をリスク値として定量化し早期警報システムを構築する。

4) リアルタイム高性能監視システムによる実証実験
現在、立命館大学歴史都市防災研究センターを中心に一般企業3社、社団法人1社の5機関から成る「神社仏閣防犯システム研究コンソーシアム委員会」による実証実験を建仁寺と仁和寺で展開中である。得られた実証実験データから誤認率などを求め、認識精度の向上を目指している。

5) 連携活動計画
・神社仏閣防犯システム研究コンソーシアム委員会(3〜4回開催/年)との研究連携。
・成果の発信のために、セミナーの開催(2013.08.01)を適宜行う。
・情報交換検討会(仮称)の設置、HPを利用した発信、などを考える。
・他の歴史都市防災研究所・研究部会との連携も適宜考えて行く。

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