掛川西高等学校1~2年生の皆さんに、大学の専門的な講義・ゼミを体験してもらう高大連携の特別授業を実施しました
2025年9月4日(木)、当研究所副所長の村中亮夫教授(文学部地域研究学域)、プロジェクトメンバーの麦谷雄飛さん(本学大学院文学研究科地理学・地域観光学専修)、田代優都さん(本学大学院文学研究科地理学・地域観光学専修)が、静岡県立掛川西高等学校主催の「令和7年度 掛川西高等学校 大学模擬講義『ミニ大学』」の一環で、同校1~2年生延べ66名を対象に、高大連携の特別授業を実施しました。
ミニ大学1時間目の講義形式の授業「【防災研究の最前線】古地名で読み解く災害文化―岩手県三陸沿岸地域―」では、プロジェクト代表の村中亮夫教授(文学部地域研究学域)が、GoogleマップやGoogleストリートビュー、WebGISの一種である地理院地図を活用し、地理的見方・考え方に基づいて、災害地名や被災の記録など、三陸沿岸で継承されてきた災害文化について考える授業を行いました。ミニ大学2時間目のゼミ形式の授業「【集まれ地理好き!】君の”好き”を地域の”チカラ”に―地理を活かした交通まちづくり―」では、麦谷さんと田代さんが、自身の学びのキャリアや専門的に取り組んでいる研究について、高校での学びと大学での専門的な研究とのつながりを踏まえて講義しました。
受講生の皆さんから、以下のようなコメントが寄せられました。
- 「地理や災害について興味があったため、とても面白い内容でした。ストリートビューで東日本大震災の津波のあとを見たり、「蛸カラカイ」とは何かを調べて行ったことが印象に残りました。特別授業を通して、地理学に興味を持ちました。」
- 「地名について、古文書などの資料からだけでなく、地理学の地形的な視点からも研究していくのがとてもおもしろいと思った。また、昔の人々がのこしてくれたものを未来の防災に生かしていけることは、とてもすてきだと思った。災害文化が消えていってしまうことが課題なので、自分ごととして受けとめていきたいと思った。」
- 「地名と過去の出来事の関係、すごくおもしろかったです。自分たちで歴史のピースを集めて、今と昔をつないでいく、その一部を見せてもらいましたが、わかりやすく説明していただいたのもあり、楽しく聞いて考えられました。今回は東日本大震災による津波等、主に岩手県内の津波についてだったので、ほかの地方や他の災害ではどうなのか、自分の住んでいる周りにも何かそういう地名があるのか等、色々気になったので調べてみようと思います。とても参考になるお話をありがとうございました。」
- 「コンパクトシティを推進する富山の事例では、実際に富山市に住んでいた人の目線として話を聞くことができて非常に良かった。また、富山は交通機関の充実をはかっている点で注目を集めているが、地鉄の廃止が取りざたされている現状、その在り方がもう一度問われているのではないか。また。コミュニティバスの役割についても詳しく知ることができて非常に良かった。公共交通は利用者である住民本位でなければならないと思うから、水俣市のケースはとても良いものだと思う。」
- 「交通の観点で、地形からまちづくりについて考える、新たな視点を得ることができた。私も交通の便がよくない土地に住んでいて、学校に通うのに運賃の値上げや減便で少し不便さを感じているので、山間部の交通サービスについての発表で挙げられていた、住民と行政が協力し話し合ってバス停を設置するといった取り組みが必要だと思った。」
掛川西高等学校1~2年生の皆さん、今回のミニ大学で得られた知見をもとに大学で取り組みたい研究をイメージし、普段の勉学や今後の進路選択に役立ててください!


