北海道奥尻高等学校2年生11名の皆さんに奥尻島の災害文化を考えるフィールドワークを実施しました
2024年9月18日(水)、北海道奥尻高等学校との連携のもと、同校2年生11名を対象に、防災まち歩きの特別授業(高大連携講座)を実施しました。本授業では、「地理総合」における地形図や地域調査の学習内容を確認しつつ、1993年に北海道南西沖地震で被災した北海道奥尻町青苗地区を実際に歩き、被災による景観や街路の変化、復興・防災施設、ハザードマップ、遺跡群などを実際にみながら、青苗地区で受け継がれている災害文化について考えました。
フィールドワーク日和に恵まれた当日、生徒の皆さんは、講師となった地理学、人類学、防災研究を専門とする当研究所の研究メンバー(当研究所副所長:村中亮夫教授[本学文学部地域研究学域]、客員研究員:手塚薫教授[北海学園大学]、谷崎友紀講師[京都文教大学]、大学院生:田畑勇也さん[本学大学院文学研究科地理学専修])と一緒になって、地理院地図で現在の位置を確認しながら、青苗岬灯台から1993年北海道南西沖地震によって被災した青苗地区の復興の様子をみたり、青苗遺跡、避難路、青苗港の人工地盤のほか、三角点や電子基準点、地形などを確認して歩きました。
受講生の皆さんから、
「自分が1年半暮らした場所でも知らないことがたくさんあっておもしろかったです。色んな歴史や経験を積んで今の奥尻島ができたんだなと感じました。青苗地区のくわしい話を聞けてよかったなと思いました。」
「印象に残ったのは三角点の話です。なぜなら三角点は全国で10万もありすごく多かったからです。他にも水準点など、身近な所にあるものなどを詳しく知れたのですごく良かった。色々なことを教えてくれた方々は、すごくやさしく分かりやすく説明してくれたので、歴史についてや、奥尻についてもっと知りたいなと思った。」
「普段なにげなく歩いている道なのに、1つ1つの場所に意味や工夫がされていることを聞いて、とても興味が持てました。歩いている中で道が斜面になっていることに気づき、だからその場所に避難所があるんだなと、どんどん繋がっていっておもしろかったです。」
「普段自分たちが暮らしている所の地形が当時の生活や災害と深くかかわっていることに驚くとともに、他の地域の地形も、当時の記録と照らし合わせて、どうしてそのような地形になったのか考察してみたいと思いました。また、資料と説明があったことで、内容をより理解することができました。ありがとうございました!」
など、青苗地区での防災まち歩きを通して、それぞれの高校生が青苗についての関心を深めてくれた様子が伝わるコメントが寄せられました。
北海道奥尻高等学校2年生の皆さん、今回の学びをもとに、奥尻島について興味関心のあるテーマを設定して探究活動を続けていってください!