広報 (新聞掲載記事・研究会案内)

第2回公開セミナー「進化する犯罪と防御システムの最前線」を開催しました。

開催日: 2013年11月29日(金) 15:30~17:40
開催場所: 京都市大学のまち交流センター
キャンパスプラザ京都4階/第2講義室
参加者: 60名
講演者: 大野 宏(株式会社セキュリティ工学研究所)
舟橋 信(NPOデジタル・フォレンジック)

概 要:
「現在、犯罪件数は減少傾向を示しているが、その手口は多様化するとともに進化している。このような状況に対応すべく防御システムも日々高度化され続けている。この最前線について!」 を趣旨とし、2名の専門家から下記のとおり報告頂いた。

株式会社セキュリティ工学研究所 代表取締役・大野 宏氏
近年の犯罪傾向から最新の防犯カメラの動向に関する報告があった。侵入強盗犯の検挙率は70%であるが、侵入窃盗犯の検挙率は50%と低い。その他、組織犯罪・外国人犯罪が増加している。このような犯罪から守るため、人間の“目や耳”となるセンサーの説明がされ、現在開発中である「個人認証技術」「動き検知技術」などから自動不審行動検知技術の最前線についての説明があった。このような技術は、社寺仏閣の窃盗犯防御に活用できると確信した。

社団法人日本画像認識協会理事・船橋 信氏
情報セキュリティの現状と対策についての報告であった。特に、最近話題になっているサイバー犯罪についてインターネットの普及とともに複雑化して行く状況やサイバー犯罪による不正な情報流出の事例が紹介された。流出した情報は自治体からの「住民基本台帳データ(金銭目的)」、企業の顧客情報、特許情報の漏洩など、身近な情報から最新技術の情報まで頻発しているとのことであった。現在、文化財のデータベース化が取り沙汰されているが、歴史的・文化的にも価値が高い文化財情報(個人情報に匹敵する)が知らない間に漏洩し、窃盗犯の手に渡る可能性もあり、文化財を窃盗などから守る必要性と難しさを痛感した。